きっかけは、職場でのTHP体力測定でショッキングな結果が出たことであった。
体力測定の項目は、@筋力(握力)、A俊敏性(全身反応時間)、B柔軟性(前屈)とC持久力(最大酸素摂取量)。これなら、○○×◎で、総合して実年齢より5歳若い筈だ。
「残念ですが、実年齢より3歳老化が進んでいます。問題は、持久力が標準値を下回っている点です。ウォーキングなどもう少し運動した方がいいですね」
「??・・・!!!!」
測定前月には330キロ走り込んで自信を持って臨んだ持久力テストの結果が、標準値を下回るとは。自転車こぎと心拍計による簡易測定方式での最大酸素摂取量検査の結果はは30.5ml/kg/min。政府の基準による「虚血性心疾患発症の危険性」の指標では、要注意領域(38-33ml/kg/min)を越えて危険領域(33ml/kg/min未満)に入っている。
持久力に対する自信を打ち砕く結果であるが、思い当たるところもある。12年前に禁煙するまではヘビースモーカーで、20年間に渡り一日平均3箱、それもショートピースやしんせいなどの両切りたばこの愛煙家であった。 禁煙して6年後に肺活量の検査をしたところ、基幹部が正常人の90%、抹消部が70%程度とのことであった。 禁煙後10年程度で元に戻ると聞いているが、12年を経ても回復していないのだろうか。
そこで気になるのが、マラソンを走っている時の心拍数で、フルのベストを出した時の平均心拍数が173、最大で180。ハーフではさらに高く、平均心拍数が177、最大は185程度まで上がる。一般に、最大心拍数は、「220-年齢」と言われているが、これだと私の最大心拍数は170で、これを超える心拍数で42キロを走っていることになる!? マラソンの本などを読むと普通のランナーは145-155拍程度で走っているようで、自分の心拍数は異常なのだろうか?
「タバコ→肺活量少→最大酸素摂取量少→心臓でカバー」という仮説が成り立つようにも思われるが、こんな走り方をしてよいものかどうか。今年の京都シティーハーフや福知山で死者が出る事故が起きているが、心臓へ負担の大きな走り方をして良いものかどうか。
募る疑問への答えは、精密検査で正確に計った上で医者に聞いてみるしかない。という訳で、京都工場保険会で肺機能検査と最大酸素摂取量/負荷心電図検査を受けた。以下、検査の顛末と、ネット上で集めた関連情報などをまとめてみた。
1) 肺機能検査
2) 最大酸素摂取量/負荷心電図検査
3) ランニング愛好者の最大心拍数
4) 最大酸素摂取量とマラソンの予想タイム
5) 体重とマラソンのタイムとの関係
6) 心拍計(ハートレートモニター)
京都工場保険会は、企業向けの検診が主体であるが、一般外来も受け付けている。肺機能検査と最大酸素摂取量/負荷心電図検査を受けてみたいと言う方は下記まで。 費用は、肺機能検査5000円、最大酸素摂取量/負荷心電図検査7000円に手数料・消費税で13,335円(2002年11月)。
京都工場保険会
京都市中京区西ノ京北壺井町67番地(西大路太子道西)
075-823-0523
検査の後、医者による問診があるが、必ずしもスポーツ専門ではないので全ての疑問には答えてもらえない。検査結果の説明と疾患の徴候の有無などは教えてもらえたが、マラソン時の心拍数が正常かどうかなどについては残念ながら答えてもらえなかった。 そのためネット上で関連情報を探してみた。意外なことに、求めていた情報は日本やアメリカのWEBにはなく、フランスのWEBにあった。マラソンと身体能力に関するデータや理論付けについては、フランスのWEBが最も充実している。フランスには強いマラソン選手はいないが、市民マラソンでは最も盛んな国のひとつと言える。NYCマラソンの海外参加ではNo.1であり、スパルタスロンでも日本に次ぐ参加者を送り出している。また、フランス人は私と同じで理屈好きでもある。