体重とマラソンのタイムとの関係については、福岡大の田中教授の説である1kg=3分説が日本では定説となっている。体重1kgの増減でフルマラソンのタイムが3分増減すると言うもの。しかし、田中教授のように上級者(2時間半)で3分/kgなら、4時間で走るランナーには3分以上となる筈で、一律に3分/kgというのは乱暴な説である。
そこで閃いたのが、 kg=km の公式。この公式の意味は、1kgの体重増は、1km分の時間のハンデとなると言うもの。1kmが5分ペースのランナーであれば、1kmあたり5分の遅れとなる。 これならばレベルの違いを反映させることができる。 私の自己ベストの3h41mから先日の福知山は約30分の遅れだったが、自己ベスト時の体重より約6kg増えており、5分x6で30分とぴったり合う!
しかし、この公式にも問題がある。50kgの人が5kgの増減があった場合と、70kgの人の5kg増減では前者の方が影響が大きい筈で、この公式では表せない。そんな深い悩みを抱えていたところ、移動エネルギー量の学術研究をしながらマラソンを走るA博士から次のような仮説の提示があった:
70 kgの人(A博士)が42.195kmを3時間24分20秒で走る。この際の運動量は
70 kg × 42.195 km = 2953.65 Kg・km/3時間24分20秒
これを1時間あたりの運動量に換算すると 867.3 kg・km/1時間となる。これの逆数をとると1時間/867.3Kg・kmとなる。5kg減量して65 kgの人が42.195km走る場合には
65 kg × 42.195 km × 1時間/867.3 kg・km = 3.1623時間 = 3時間9分44
なるほど。実に理論的だ。この仮説に従って、私が1)サブスリーを達成できる体重と、2)世界記録を出せる体重を割り出してみた:
現在76Kg→
1) 57.1Kg 私の中学時代の体重で、当時の2000mの自己ベストは6分26秒。不可能な体重ではない。これくらい軽くなればサブスリーも可能性がありそうに思えてくる。
2) 39.9Kg 高橋尚子より軽くならなければならない。身を削るだけでは済まず骨も削る必要がありそうだ。どうしよう・・・・・
私の悩みは深まるばかりだ。そんな悩みを抱えるランナーは多いようで、ネット上を探してみたら、下記のようなページが見つかった。このグラフは、縦軸が自分のフルマラソンのタイム、横軸が体重1kgの増減で発生するタイム差で、体重別にタイム差が見られる。このグラフから判断すると、私の場合は1kg=4分20秒程度となり、納得できる。
これで、マラソンのタイムへの体重の影響は分かってきたが、悩みが消えたかといえばむしろ逆に深まっている。減量のため月間250-350km程度走っているが、76kgの体重は一向に下がる気配がない^^;