マラソンブームを反映して入門書やトレーニングマニュアルが数多く出版されています。いろいろ読んでみると、トレーニングの方法や理論が多様であることに驚きます。つまるところ自分自身が気に入ったトレーニング法を選ぶしかありません。私自身2ヶ月ほどマフェトン理論を試してみたのですが、どうもしっくりこない、気分よく走れない。結局自分流に気分よく走ることとしました。
きっと完走できるマラソンBOOK 小松美冬 マガジンハウス 税抜1,068 |
著者はリディアードに師事した経験を持つ、ランニング雑誌ライターのアマチュアランナー。 マラソン入門書であると同時に、エッセイを読む楽しみがある。四季折々の自然の中でのランニングの楽しみが満載されていて、読んでいるだけで走りたくなってしまう。走ると楽しい、楽しいからはしる。ランニングの楽しさが実感できるお勧めの一冊。 トレーニングメニューは、リディアード方式の有酸素ランニング(気持ち良く走れるスピード)、ファルトレク(起伏と変化のあるコース)、ヒルトレーニング(坂を使ったトレーニング)など。 | |
「マフェトン理論」で強くなる 革命的エアロビックトレーニング Dr. フィリップ・マフェトン ランナーズ 税抜1,523 |
マフェトン博士は世界的トライアスリートを育てた実績を持つ。過激な意見が多いが、趣旨が明快で面白い。 有酸素(アエロビック)運動能力を高めるには、アエロビック範囲内の心拍数でのトレーニングを3-10ヶ月継続する。アエロビック最大心拍数は、180-年齢±5。ハートレートモニター(HRM)を使ってトレーニングを行う。アエロビックシステムを確立する前にアネロビック(無酸素)トレーニングを行うとアエロビック能力を低下させる。基礎トレーニング期間中にインターバルトレーニングやレースなどはよくない。 ウェートトレーニングはアネロビックなので持久走での効果はない。ストレッチも有害。カーボローディングも否定。 でも、ちょっと独断的な断定が多すぎるような気も。 | |
6ヶ月でフルマラソンが走れる ドイツ式42.195キロ完走の秘訣 マンフレッド・シュテフニー ランナーズ 税抜1,165 |
元ドイツオリンピックマラソン選手でランニング雑誌Spiridon誌編集長。 マラソントレーニング法変遷の歴史がおもしろい。フィンランドのピヒカラによるトレーニング法体系の確立、チェコのザトペックのインターバルトレーニング、ニュージーランドのリディアードの有酸素トレーニングとファルトレック(クロスカントリー)。 マラソンを走る条件は最低1年間のトレーニングと1万メートル50分以内の記録が基本。1時間走れる体力ができている事を前提に6ヶ月の促成トレーニングメニューを提案。 レース、トレーニング後の飲み物としてビールの効用を説くのがドイツ人らしい。ビールだけを飲み干すのではなく、パンを食べながら飲むのがポイント。ビール1gは470KCalあり、エネルギーを素早く補給し、炭水化物、ビタミンBが豊富。 ドイツの草レース会場にビールの屋台がならんでいるのに驚いたが、これで納得。 | |
ゆっくり走れば速くなる マラソン丸秘トレーニング 佐々木功 ランナーズ 税抜1,262 |
NEC陸上部監督、浅井えり子などの選手を育てる。 「マフェトン理論」に通じるところがあるが、理論ではなく自分自身とNEC陸上部監督としての実践と経験に基づいたトレーニング法。LSD(Long Slow Distance)を総トレーニングの90%程度とする。LSDの効果が出るには最低3ヶ月。ここを我慢できずにスピード練習をして失敗する例が多いことを戒める。 1年間かけて4時間で走れるトレーニングを提案している。 | |
マラソンでたらめ理論 小出義雄 ベースボールマガジン社 税抜き1,300円 |
積水化学陸上部監督 有森裕子、鈴木博美、高橋尚子など世界的ランナーを育てた実績で、名伯楽として現在最も評価の高いコーチ。体質も気質も異なる、有森、鈴木、高橋の育て方の違いが面白い。それぞれの体質、気質を見極めて、3人とも全く違う方法で能力を伸ばしている。奇抜な打つ手、打つ手が面白いようにあたるのが、神懸り的。シドニーでの日本期待の星高橋尚子に期待したい。 自分のトレーニングの参考にならないが、マラソンファンの読み物としては面白い。 | |
42.195キロの走り方 誰にでも無理なくフルマラソンが楽しめる 内山雅博 フォー・ユー 税抜1,300 |
国立競技場ジョギング教室講師。 典型的なマラソン入門書で、特に特徴のない標準的なトレーニング法。初マラソンへの挑戦を誰にでも可能なこととしてハードルを低くして説明してあるので、初心者が初めて読む参考書としては無難で良いかも知れない。 | |
フルマラソンを完走しよう! 初歩から始める42.195kmのトレーング法 田中宏暁 ナツメ社 税抜1,300 |
著者は医学博士で運動生理学が専門。 典型的なマラソン入門書。有酸素運動の仕組みを分かりやすく説明。50%強度のトレーニング(最大酸素摂取量50%=20歳台で心拍数125、40歳台で115程度)での有酸素能力の向上を実験値で実証。50%強度は脂肪の燃焼効率が最も高く、糖質(グリコーゲン)・脂肪の燃焼比率が50%となる。50%強度をニコニコペースとして、トレーニングとレースのペースとして推奨。 しかし、私の場合115拍では殆ど歩くスピードで(1km9分)、自分の感覚では150-155拍くらいがニコニコペース(1km6分弱)。長年トレーニングを積んだ人は、同じスピードでの心拍数が下がるが、150拍はニコニコではなくかなりきつい強度になるようだ。この辺の仕組みの定量的な分析が欲しい。 | |
ランナーのメンタルトレーニング ジョー・ヘンダーソン 大修館 税抜1,300 |
ジョー・ヘンダーソンはランナーとしてスタートし、ランニング関連の記事、著作が多い。 過去の偉大なランナー達が如何にしてメンタルな問題を克服してきたか。豊富な事例を紹介。本格的な競技者向けの参考書と言える。楽しんで走り、完走を目標とするマラソン入門者の私には、あまり参考にならない。 | |
マラソン ジョギングから始めよう 宇佐美彰郎 成美堂出版 税抜980 |
監修者の宇佐美彰郎は元オリンピック選手で東海大学教授 写真とイラスト主体のマラソン入門書。内容が貧弱で残念ながら殆ど参考になる点もない。宇佐美選手は昔好きだっただけに残念。 | |
マラソン百話 ベ−スボ− ル・マガジン 社 高橋進 2,000 |
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四十六歳からのマラソン 人生 新風書房 原田伸夫 1,456 |
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リディア−ドのランニン グ・バイブル 大修館書店 ア−サ−・リディ ア−ド 1,800 |
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Official NYC Marathon Training Program by Bob Glover and Shelly-lynn Florence Glover |
http://www.nyrrc.org/mar.htm ニューヨークシティーマラソンのオフィシャルページのトレーニングプログラム。初心者から経験者へのレベル別のトレーニングメニュー。 |