Fed Cup 99
Japan vs. Germany
ハイライト写真集

はなふさ@ニッポン、チャチャチャ。

日の丸をリュックに入れてやってきたハンブルグは、春たけなわの快晴。

空港からのタクシーの運転手にグラフとフーバーが足の故障で欠場と聞く。えっ、はるばる来たのにそれはないよ。でも、パリファッション界から声のかかっている美人選手ヤナ・カンダーが出場と聞いて一安心。
これで日本にもチャンスが出てきた。と思ったら、日本チームも直前になって杉山選手が足首の故障で欠場。これで勝敗の行方が分からなくなった。

日本チームの方から戴いたチケットはチーム席のすぐとなり。ローテンバウムテニス場は、3-4分の入りで少し淋しい。日本チームの応援団も30人程度とこれまた淋しい。

J.Kandar/E.Wagner/A.Glass/Schur監督 杉山愛/浅越しのぶ/佐伯美穂/小畑沙織/小浦監督 日本チーム

シングル第1戦 佐伯美穂(WTA87) vs. Andrea Glass(WTA67) 3-6/4-6
佐伯は第1ゲームをブレークして幸先の良いスタートであったが、サービスゲームがキープできずに苦しむ。ファーストが入らず、セカンドでリターンエースを取られるパターンが多い。グラスは小柄ではあるが、パワーヒッター。コントロールも良くライン上に決まる。ニッポン、チャチャチャ、サエキ、チャチャチャと応援ではドイツに負けていないのだが......。
第2セットに入ってファーストが入り出して少しもり返すが、流れは変えられず。グラスは最近伸びてきた選手で、ランク以上の力をつけてきている。

シングル第2戦 浅越しのぶ(WTA139) vs. Elena Wagner 7-6/6-1
ドイツ選手ではカンダーをマークしていたが、ワグナーはカンダーのようなファッションモデル系ではないが笑顔の可愛い選手。日本チームの応援をしながらカメラで追いかけてしまいました。でもサービスが驚くほど悪くプロとは思えないようなサーブ。一方の浅越はイケイケ風の選手でノリも良いが、落ち込むのも早い。ライジングでのヒットが素晴らしいが、ウィナーとなる威力はない。3-0までは順調にいったのが、押し戻されてのタイブレーク。タイブレークも押しながら進めるものの6-6に戻されるが、最後は踏ん張って8-6でセットを取る。応援への反応が感じられるので応援のしがいもある。シノブ、チャチャチャ!第2セットは安心できる展開で一気に決めてくれた。

これで1勝1敗。明日のシングルでは佐伯・ワグナー戦、グラス・浅越戦は、佐伯とグラスが実力では上なので、1勝1敗となりそう。最後のダブルスに縺れ込む可能性が高いが、日本チームはどの組み合わせで出てくるのか。ダブルスだけでも杉山選手がでてくれるといいのだが。でも、もつれると帰りの飛行機も心配。

A. Glass 佐伯美穂 浅越しのぶ E. Wagner 浅越の1勝


99年5月25日 第2日

フェドカップのシステムが来年から変わる予定。今年までは8カ国単位でグループを構成してのトーナメント方式。しかし、来年からワールドグループは12カ国が3グループで予選リーグ戦を行ない、予選優勝チームと3カ国と前年優勝チームで準決勝からのトーナメント方式となる。現在のワールドグループIの8カ国はワールドグループに残るが、ワールドグループIIでは5カ国が新ワールドグループに入る。つまり、今年のワールドグループIIの1回戦に勝てば新ワールドグループに入れる事になる。

前置きが長くなったが、今日の試合に勝った方が新ワールドグループ入りを果たす事となる。


今日も観客の入りは悪く、4割程度。日本チームの応援は何と10人ほど。今日はハンブルグ日本人会の婦人会があるとかで、おばさん達がいない。恥じらいのなくなったおばさん達の応援は力強いのだが、これがないと今日は厳しい。

シングル第3戦 浅越vs. A. Glass 4-6/3-6
やはりグラスはすごい。最初から勢いで一気に畳みかける。小柄な体格だが、気迫がにじみ出ている。3-0と追いこまれるが、今日の浅越はのびのびとプレーしている。昨日のシングルで責任を果たし、今日は格上へのチャレンジでプレッシャーはない。4-5まで挽回するが、やはり実力差は隠せない。最後でその差がでてしまう。第2セットも同じような展開。

シングル第4戦 佐伯vs. E. Wagner 6-7/3-6
ワグナーの気迫が凄い。技術的には佐伯の敵ではないのだが、気迫で対抗している。昨日とは別人のようだ。一方の佐伯は今ひとつ勢いがなく、ここと言うポイントでのミスが目立つ。0-3で立ちあがりを攻められるが、何とか立ち直って6-6のタイブレーク。4-6でセットポイントを握られた後、逆転してセットポイントを奪うがイージーミスで再逆転されてしまう。このタイブレークを取れなかったのが大きく、本来の力が出ないまま第2セットも流されてしまった。

ここでの監督の存在が大きい。シュール監督はイワユルもうひとりのヤニック・ノア監督。「君ならできる。できない筈がない。さぁ、やってみよう」と潤んだ目で見つめる。ワグナーもポイントの度に「私できたわ。ねっ、できたでしょ。」と見つめ返す。この関係がすごい。おっさんタイプの小浦監督ではこうは行かない。浅越とは師弟関係があるから呼吸は合っていたが、佐伯とはもうひとつ合わないようにも見える。佐伯が一人で落ち込んで自滅してしまうパターンであった。

ダブルス 浅越・小畑vs. A. Glass・J. Kandar 3-6/7-5/6-4
勝敗が決まった後のゲームで双方リラックスムードであったが、拮抗したゲーム内容。ドイツチームはカンダーが弱点で日本チームはコンビネーションも良い。小畑はパワーはないが、切れのいいショットが気持ち良くきまる。最後に1勝して、2勝3敗。グラフ、フーバーのいない史上最低のドイツチームに勝てなかったのは何とも残念であった。浅越と小畑の勝利が次につながって欲しい。

佐伯美穂 A. Glass/E. Wagnerのウィニングラン 小畑・浅越 小畑沙織


では、次のテニス観戦はデュッセルドルフのWorld Team Cupで。

Parisから来られたSさんと私


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