Roland Garros 98 ハイライト写真集
おもしろ観戦記


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98年の全仏オープンの写真集をお届けします。

この写真は私個人が撮影したものです。非営利目的でのコピー、配布は制限しませんので、個人的な趣味の範囲でお楽しみください。


1996
年5月30日

Parisにて

ROLAND GARROS 98
おもしろ観戦記

はなふさ@ローラン・ギャロスです。

5月29日(金)
昨日までの雨が嘘のように、五月の澄み切った青空が眩しい。ブーローニュの森の奥は若葉の清々しい香り。
二年ぶりのローラン・ギャロスの香りに胸がいっぱいです。

今年のローラン・ギャロスはワールドカップ直前の大会で、観客の動員が危ぶまれました。
そこで、FFT(フランステニス協会)クリスチャン・ビーム会長の号令で、ワールドカップに対抗すべく、二つの作戦が展開されました。

1.チケット完売作戦
初日を前に完売。かつてない事と、FFTは自賛しているが、実は余ったチケットはダフ屋の組織に。完売で前景気を煽り、闇価格の付加価値を上げようと言う、フランス流経済振興策。しかし、だぶ付き感は否めず、センターコート下段チケット(定価275フラン)は800フランから値切って400フラン(9000円)に。

2.美人かき集め作戦
ビーム会長は、フランス全土から選りすぐりの美女600人を集めたと勝利宣言。
「あんな巨人なんか集めてどうするんだ。フランスには美人が一番似合う。」と、ワールドカップに対する対抗心むきだしのコメント。
しかし、すごい。まいった。今年の美人群は半端じゃない。美人探索に終日を費やすか、テニスを見るか、悩むところです。

本日のハイライトは、クエルテン対サフィン(ATP114位)。
予選上がりで優勝すると豪語するだけあって、サーブも凄いが、ストロークも超高速で凄い。ストロークをスピードガンで計ってみたい。サフィンの弾道が低くて速いので、浮いた球を空中でハードヒットするクエルテンの空中流も効かなかったようです。

クエルテン以来空中流が流行ってきたのか、チャンと対戦した予選勝ち上がりのファンロッツム(ATP103位)の空中流が素晴らしい。フォア、バックともに飛び上がって叩くのが面白いように決まる。第1セット押し気味に進めていたのが、足を痛めて集中力を欠いて最後は棄権。今後が楽しみな選手。

ヒンギス対ハブスドワ戦。ハブスドワに時々光るショットがあるものの総合力では力の差が出たようです。
一時期太りかけたヒンギスも少し引き締まってきましたね。

さて、日本人選手で最後に残った佐伯美穂。押し気味の試合なのに決めるべきところで決まらず、逆に決められてしまう。相手は格下のルビン、と言っても数年前にはトップ10近くまで登りつめた選手。決め所が上手い。伊達公子さん松浦大使閣下、そしてはなふささんの応援もむなしく惜敗。残念。

最後は女子ダブルス、杉山・リホフツェワ vs. 吉田・佐伯。
日本人同士の試合は応援しにくいので、もう一つ盛り上がりませんね。でも、素晴らしいラリーの連続で楽しめました。これで日本人選手では、ダブルスの杉山だけが残ったと言うことでしょうか。

今年も日本人選手の消え方が早いですね。今日来てかろうじて間に合いました。
パスポートをサイン帳にしてたのですが更新した所で、欲しくもないドイツのビザしかない淋しい状態でした。
そこで今日は、伊達公子、杉山愛、佐伯美穂、吉田友佳さんの4人のサインをもらってしまいました。これで、パスポートの期限の切れるまで10年は大丈夫。パスポートにサインしてもらっているのを難しそうな表情でご覧になっている方をよく見れば松浦大使閣下。パスポートのサイン帳ってのは、やっぱりまずいですかねぇ。

今日はパリ時代のテニス仲間との再会もできて、楽しい一日でした。


元祖空中流グスタボ・クエルテン

豪腕マラット・サフィン

クエルテンの弟ヨン・ファンルッツム

本日のスーパーショット。チャンの背面ショット。

マイケル・チャン

マルチナ・ヒンギス

カリーナ・ハブスドワ

佐伯美穂

吉田友佳


杉山愛

美人戦略のビームFFT会長

本日の美人1

本日の美人2

上左から、佐伯、伊達、吉田、杉山選手のサイン。

5月30日(土)

昨日に続き本日も快晴。日差しは強いが、気温は最高で24度前後と過しやすい。
天気の良い週末。当然ダフ屋価格は大幅アップ。昨日400フランで手に入れたセンターコート下段は700フラン(15,000円)。それも、10人のダフ屋と交渉の末。

さあ、お待たせしました。
今日のセンターコートは、美人の人妻選手ドミニク・ファンローストです。相手は野獣セレナ・ウィリアムス。フランスの観客は当然美人選手を応援します。

しかし、ドミニクコールも空しく、ウィリアムスのパワーに圧倒されて一方的な試合展開。ファンローストは第15シードの実力派だが、テニスにならない。姉と対戦した杉山愛と同じ展開。女子テニスもパワーテニスの時代に入るのでしょうか。ヒンギスには当分頑張ってもらいたい。

今日は、ビームFFT会長の美人戦略の裏わざが判明。
世界No.1の評判の高いジャック・デサンジュ美容院がSLコートの地下にひそかに開業。事情を探ると、どうやらフランス女子選手の専属美容院と言う事らしい。

早速、その効果のほどを確認するために、フュゼ対サンチェス戦を観戦。目を凝らしてよく見ると、髪の毛のウェーブが今までと多少違うかな、と言う程度で美人度があがったかどうか、どうも判然としない。読者諸兄の判断にお任せしたい。美容院など縁がなさそうなサンチェスの一方的な試合で終わる。

今日のハイライトは、第10シードのクライチェクに3-0で勝ったピオリーヌ。蚤の心臓のせいか肝心なところで切れやすい選手だが、今日は観客の圧倒的な声援を受けて気持ちよく勝利。バックハンドのパッシングショットが素晴らしい。

今日の予想外は、チャンがカルベットに敗れた事。カルベットがチャン以上に走り回って、チャンを振り回したせいか、チャンにはミスが多く、いつもの粘りが感じられない試合。


ドミニク・ファンロースト

セレナ・ウイリアムス

ビーナス・ウイリアムス

アレクサンドラ・フュゼ

アランチャ・サンチェス

セドリック・ピオリーヌ

リカルド・クライチェク

フランシスコ・クラベット

本日は美少女ボールガールズ


5月31日(日)

心配された雨もどうにか持ちこたえて、日曜のローランギャロスは満員の人出です。
今日は早めに来てチケット探しをしたのですが、馴染みのダフ屋をあたっても売り切れが多く、かろうじて目的のチケットを手に入れました。価格は600フラン(13,000円)。ちょっと高いですが、品切れ状態では仕方がありません。

観客には外国からの人も多いですが、移民系のフランス人も沢山来ているようです。フランスは、3代続けてのフランス人は3割しかいないという移民国家です。東欧系、アフリカ系、アジア系と多様の移民が、出身国の選手を応援するのです。なにやらお国自慢大会のような雰囲気もあります。

さて、今日は「美少女・美人路線」でNo.1コートに決定。女子シングルス4回戦です。

マルチナ・ヒンギス (vs. アンナ・スマシュノヴァ)
ヘンリエッタ・ナギョヴァ (vs. ヴィーナス・ウイリアムス)
パティ・シュナイダー (vs. マギー・セルナ)
モニカ・セレス (vs. チャンダ・ルビン)

豪華美少女・美人リレーです。
セレスについては、個人的には疑問もあるのですが、美人だと言い張る人もいますので。

今日は美人を応援するだけですから気楽なものです。第1試合は順当なところで安心して見られました。
問題は第2試合。美少女ナギョヴァちゃんが187Kmのサーブに果敢に立ち向かう姿は可憐でした。ビーナスの圧倒的なパワーに押されてしまいましたが、観客のヘンリエッタコールに励まされて、第2セットは拮抗するいい試合でした。
パティ・シュナイダーも可愛いですね。準々決勝進出。

モニカ・セレス戦。久しぶりに強いセレスが戻ってきたようです。すっかりシェープアップして動きも素晴らしく、こぶしの効いたうなり声も復活です。しかし、セレスの人気は凄いですね。ヒンギスとは比べものにならないくらいの人気です。試合後はサインをもらいに行く人が殺到していました。隣で観戦していた熱狂的なセレスファンがTシャツにサインしてもらって、「私の人生で最高の日」と涙ぐんでいました。
観戦に同行して戴いたYさんも大のセレスファン。「私もほしかった」と悔しそう。

美少女・美人路線の幕間に割って入ってきたのは、アレックス・コレッチャvsヘルマン・グミのマッチョな肉弾戦。
コロシアム造りのNo.1コートでの戦いは、ローマの格闘技を見ているようでした。前日からの続きで5時間半のフルセット、最終セット9-7でコレッチャの勝利。長い闘いを終えた二人は、1分間ほど抱き合ったままでした。ちょっと危ない場面でした。

今回も男子はスペシャリスト揃いのスペイン勢が残っています。コスタはリオスに敗れましたが、モヤとマンティヤが準々決勝に進み、ベラサテギ、コレッチャ、クラベットが今日4回戦です。

もうひとつ特徴的な事は、ラテンアメリカ勢の活躍です。残っているのはリオスだけですが、クエルテンと同じくブラジルのフェルナンド・メリジェニ(4回戦でムスターに敗戦)、サンプラスを破ったパラグアイのラモン・デルガド(4回戦でマンティヤに敗戦)、アルゼンチンのヘルマン・グミ(3回戦でコレッチャに敗戦)などです。どうやらテニスもサッカーと同じような傾向のようです。

さて、今年のローランギャロス通信は今日で終わりです。
では、また来年。

アンナ・スマシュノヴァ

余裕のヒンギス

可憐なヘンリエッタ・ナギョヴァ

どうだ、187Km

アレックス・コレッチャ

ヘルマン・グミ

美人軍団。美人も集団でいると、ちょっと恐いですね。


本レポート最後の美人。左がセレスの熱狂ファンのYさん、右が初めてのテニス観戦にはまったSさん。