The Championships 2012
昨年に続き今年も行列による観戦に来た。ウィンブルドン観戦の最大の魅力は、センターコートの最前列で、選手の息遣いの聞こえる目の前でプレーを観ることができることだ。テニスの聖地として、美しい芝の凛とした雰囲気も他の大会では感じられない大きな魅力だ。

昨年のこのページでは、全仏の美人線審戦略に対して頑なに名誉線審伝統を守るウィンブルドンを嘆いたが、気の付かないところで新しいマーケティング戦略が取られていた。様々な投資を行って集客力が高められた結果、第1週から収容人員の定員(32,000人)近くまできている。これ以上の集客が困難としたら「よりお金を落とす入場者」の比率を増やすしかない。男性客をこれ以上増やしてもビールの消費量が増える程度だが、女性客を増やせばウィンブルドングッズなどの販売が飛躍的に増える。その切り札としてイケメン線審戦略が導入されたようなのだ。私は何も気が付かなかったのだが、目敏い妻は「そこの線審、ものすごいイケメン!」とか、「あそこのボールボーイ可愛い!」とか大はしゃぎだ。お蔭でショップでのお買い物もウナギのぼりだ。

第1日
       
森田あゆみ vs. J. Gajdosova(76) 6-4/6-3
ほぼ同レベルの相手だが、終始押し気味で崩れることのなかったのは精神面でも成長した証か。  
 N. Djokovic(1) vs. JC Ferrero(38) 6-3/6-3/6-1
元世界2位とは言え峠の過ぎたフェレーロ。蛇に睨まれた色男といった風情だ。
       
M. Sharapova(1) vs. A. Roionova 6-2/6-3
一昨年に全仏で見た時は二の腕がたるんでいたが、シェープアップ効果で圧倒的な強さだ。美しいシャラポワが戻ってきた。
 E. Gulbis(87) vs. T. Berdych(6) 7-6/7-6/7-6
一昨年の準優勝者が1回戦で敗れる波乱。Gulbisは87位とはいえ20位前後にいた実力者だ。

第2日
錦織圭(20) vs. M. Kukushkin(52) 7-5/6-3/6-4
Kukushkinは油断のできない危険な相手だ。怪我からの2か月ぶりの復帰で相手に先行される展開から、徐々に地力を発揮。
添田豪(58) vs. I. Kunityn(116) 6-3/6-2/6-1
緩急を付けたラリーで、決めるタイミングも素晴らしい。こんなに強くなっているとは!日本男子のレベルも高くなってきたのは嬉しい限りだ。

第4日
       
 錦織圭(20) vs. F. Serra(136) 6-3/7-5/6-2
簡単にブレークを許すのは戴けないが、安心できる展開。胸のすくようなショットの連発に快哉。
 A. Murray(4) vs. I. Karlovic(59) 7-5/6-7/6-2/7-6
208cmのKarlovicのサーブは最強だが、ネットプレーも上手い。Murrayも薄氷を踏む勝利。
       
 L. Rozol(100) vs. R. Nadal(2) 6-7/6-4/2-6/6-4  
今の男子では100位の選手がトップ4に勝つことは有りえないと思われていたが、こんなことが起こるとは。Rozolは大興奮の会場の応援を受けて、神がかり的なショットを連発。Nadalは打つ手なし状態で敗れてしまった。でも神がかりは続かない。次の試合で簡単に負けてしまった。
テニス選手が走る姿には独特の魅力がある。特にドロップショットを追って全力で走る姿には、張りつめた緊張感とボールに向かう強い意志が感じられる。
           

 The Queue2012

昨年に引き続いてテントでのキャンプを行った:
・ 6月25日(月)センターコート4列目。前日24日8:20に行列に加わって順番171番。
・ 6月26日(火)アザーコート。当日6:30に行列に加わって2100番
・ 6月28日(木)センターコート5列目。前日27日8:40に行列に加わって41番

開幕日の順番は昨年の181番とほぼ同じだ。話を聞いた殆どの人達がリピーターだ。「テントで泊りがけまでして並ぶなんて」と敬遠する人が殆どのようで、センターコート最前列の競争率はそれほど高くない。テントでのキャンプが快適で楽しく、その上に最高のチケットが得られるなんて知らないのだろう。そんな中で、昨年の私の体験記を読んで行列に加わった人に出会えたのは嬉しい限りだ。

リピーターには様々な人たちがいる。2晩もテントで並んでトップグループに入った人に話を聞くと、「特別にいい席が得られる訳でもないよ。席が選べるってことくらいかな」。きっとキャンプ自体が楽しくて並んでいるに違いない。また、トップになると、そのこと自体にも価値があるようだ。当然BBCテレビの取材を受ける栄誉もある。

リピーターで目立つのはRAFAファンだ。当然女性たちばかりだが、若い女性ばかりでなく30-40代の女性たちも多い。スペイン国旗を掲げたテントの前ではファンの集いが姦しい。(2回戦での敗戦では大きな悲鳴が響いた・・・10日間の休みを取ってきた彼女たちはどうしたのだろうか・・・)

アメリカ人のリピーターRandyのウィンブルドン生活も大変興味深い。この10年来毎年14日間をウィンブルドンで過ごしている。自分で楽しむのは卓球で、他のテニス大会に行くことも殆どない。ウィンブルドンと行列生活の魅力にハマっているようだ。会場まで歩いて数分にある£68/日のB&B(ベッド&ブレークファスト=民宿)に宿を取り、行列→キューカード入手→自由行動→テント泊→行列→入場→10:30出場→B&Bで朝食とシャワー→入場、観戦→行列仲間に順番状況を確認して翌日のカードが重要であれば早めに出る→行列、キューカード入手→夕食→テント泊の繰り返し。

Randyにはリピーター仲間も多く、電話やSMSでの情報交換が忙しい。手持ちの情報も豊富で、有名選手のサインのもらえる穴場(特に16番ゲート)とか、会場裏手のトップ選手が借りる高級住宅街、選手が立ち寄るウィンブルドン・ビレッジのスターバックスなどを案内してもらった。会場から離れた所にしかないホテルより、B&Bは安くて便利なようだ。来年は2週間B&Bに宿を取ってウィンブルドン・ビレッジを散策してみたい。Randyによれば良いB&Bを確保するのであれば年初ごろに予約するのが望ましいとのことだ。B&B案内はこちら

来年の参考として、男子トップ4がセンターコートでプレーした日をまとめると次のようになった。
第-日 曜日 試合 トップ4センター 第-日 曜日 試合 トップ4センター
1 トップハーフ  1回戦 1/2 7 4回戦 2/3
2 ボトムハーフ 1回戦 2/2 8 女子準々決勝 0/0
3 トップハーフ  2回戦 2/2 9 男子準々決勝 2/3
4 ボトムハーフ 2回戦 2/2 10 女子準決勝 0/0
5 トップハーフ  3回戦 2/2 11 男子準決勝 3/3
6 ボトムハーフ 3回戦 1/1 12 女子準決勝 0/0
MS 休み(雨天予備) 13 男子準決勝 2/2

初日のフェデラーがNo.1に回ったのは驚かされたが、その後の第1週は男子トップ4はセンターコートでのプレーとなった。第2週の4回戦と準々決勝は同日のためセンターとNo.1に分かれる。問題は準決勝と決勝だが、これは行列ではチケットが買えないので抽選に応募するしかない。または、ヘンマンヒルの大画面で観戦するかだが、今年の決勝では結構激しい雨が降っていた。でも、それはそれでウィンブルドンだ。これで来年の予定が固まった。
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