最大酸素摂取量/負荷心電図検査

THP体力測定での最大酸素摂取量測定は、直接測定する方式ではなく、自転車の負荷を徐々に上げて心拍数を計って最大酸素摂取量を推定する簡易方式であった。今回は、マスクを被ってトレッドミルで走りながら呼吸から直接酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定すると同時に、胸や腕に電極を着けて心電図を取った。 負荷心電図測定はよく行われているが、最大酸素摂取量測定が行われることは殆どないという。ワコールやグローバリーの女子長距離選手の入社時のテストに使われているのみで、一般のランナーが測定に来ることはないとのこと。

最大酸素摂取量は3,651ml/分、体重1kgあたりで48.04ml/kg/分。簡易測定での30.5ml/kg/分とは随分異なる結果となった(^.^) 厚生省の目標値38を大きく上回り、普段のランニングを反映した数値と言える。これで体重が標準体重(BMI22)になれば、53ml/kg/分まで改善する。ここまでくれば中年アマチュアランナーとしては満足すべきレベルとなるが。

負荷心電図の結果も良好で不整脈などの徴候はなかった。ランニングで問題のあるのは、負荷を掛けて心拍数を上げた時とその後のスローダウン時に不整脈が出る場合とのこと。マラソン愛好者には安心料として負荷心電図検査をお勧めする。

電極やマスクを着けて慣れないトレッドミルで走るのは怖い。極端なピッチ走法になってしまい、終盤は苦しさより足が回らない怖さで終了した。後でスピードを見るとジョギングより遅い7.6km/h。しかし、心拍数は176まで上がったのでデータとしては問題ない。 O2摂取量ととCO2排出量は一定の比率で増えていくが、あるポイントでCO2の排出量の比率が増える。このポイントがAT(乳酸閾値)と見なされる。酸素摂取量で2400ml、心拍数で127拍程度。確かにこの程度なら疲労物質の乳酸が出ないが、これでは7分/km程度のLSDペース。

THP検査での最大酸素摂取量データ。マラソンの男子オリンピック選手クラスは80ml/kg/minを超えると言われているが、われわれのような趣味のランナーでもこのグラフの上限程度までは到達できることが分かった。



持久力を表す指標として最大酸素摂取量(VO2Max)がもっとも適切な指標とされている。最大酸素摂取量とは、最大心拍数の負荷を掛けた時に1分間に体内に摂り込む酸素量を体重(Kg)で割ったもので、 ml/kg/分で表示される。マラソンなどの長距離走では、酸素を体内に摂り込んでグリコーゲンや脂肪を燃焼させて走るエネルギーとしています。最大酸素摂取量は、血液に多くの酸素を取り込み、酸素を必要とする筋肉に送り出す能力で、持久力の最も重要な要素と言える。 最大酸素摂取能力は、次のような要素の組合せで成り立っている。

肺機能 血中ヘモグロビン量 循環機能
気管、肺の能力を高めることにより酸素の摂取量が高まる ヘモグロビン量が増えれば血中に取り込まれる酸素が増える。高地トレーニングなどによりヘモグロビン量は増加する 心機能の強化と抹消血管の血流の強化により、多くの酸素が全身に送り込まれる

持久力の要素としては、最大酸素摂取量とともにエネルギー源であるグリコーゲンの筋肉や肝臓への貯蔵能力があるが、これが問題となるのは30K以降の「壁」(=グリコーゲンの枯渇)に直面したとき。長距離走で求められる持久力では、最大酸素摂取能力が最も重要な要素と考えてよいようである。


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